6月21日から3日間は母島へ。「ははじま丸」で2時間ほどの船旅です。23区のほうの東京からの「おがさわら丸」は24時間ですから、2時間なんて楽勝です。
ところがです。
母島での移動は原付バイクがあるとスムーズなのですが、アドリブ旅の魅力にとりつかれて、計画性という言葉を忘れがちな編集部は、レンタルバイクの予約を怠ってしまいます。飛び込みで訪ねたレンタルバイク屋のオーナーさんが、初日は貸せるものがないと申し訳なさそうだったのが逆に申し訳ないほど。いえいえ、明日から2日間だけでもありがたいですと予約をお願いしました。
でもですね、計画性は忘れがちでも、太陽のことは忘れません。母島の夕焼けの名所との誉高い「サンセットシアター」を目指しました。けっこうな坂道もあるけれど、徒歩で。
偶然、明日からレンタルバイクをお借りするオーナーさんと再会できちゃいました。ここから眺める夕景が好きでよく来るのだとか。
読者のみなさまは「グリーンフラッシュ」って知っていますか? 文字どおり、夕陽が沈む瞬間に、チッってグリーンに光る夕焼けのことらしいのですが、オーナーさんはここでグリーンフラッシュの撮影にも成功したんですって。それで、見せてもらったその写真がめちゃくちゃかっこよくて、月刊LOGOSでも掲載したいなぁと関くんを見たら、ぷいッと顔をそらされました。撮影のハードルをそんなにあげちゃダメ。そう言いたかったのでしょう。それほどまでにグリーンフラッシュはレアなサンセットなのです。
母島最大にして最高の出会いが、漁師の森正博さんと奥様のなほみさんご夫婦でした。港を散策していると「あ、阪神だ」と視力抜群のカメラマン関くんが、真漁丸という船に掲げられたフラッグを発見。阪神ファンの僕が興奮していると船の持ち主である森さんが神タイミングで登場! 撮影はもちろん、夕食にご招待してもらえることになったのです。
釣果であるオナガダイの特製島寿司、最高でした。一般的な島寿司はサワラを握るらしくて、それだって絶品なのですが、オナガダイの特製島寿司は、若者風に言うと「レベチ」でした。
しかも、ごちそうになった次の日には、真漁丸に乗せてくれて、贅沢にも島めぐりをしてもらえたのです。2022年の阪神はイマイチだったけれど、阪神ファンで本当によかった。そして、森さん、なほみさん、なにからなにまでありがとうございました。