国産コーヒーのはじまりの地が、実は小笠原諸島だったって知ってましたか? 

 名古屋でコーヒーの焙煎をしていた宮川雄介さんは、その事実を知って、父島へ移住してきたそうです。コーヒー好きが高じて「豆から育てたくなって」との理由がいかしてます。20年ほど前のことでした。「USK Coffee」には、撮影させてもらったコーヒー畑に併設してカフェもあるのですが、皮をつけたまま乾燥させることでフルーティな味わいなのが特徴。編集部は、アイスコーヒーの「ボニンアイランド」の虜となったのでした。

「USK Coffee」と宮川さんを訪ねたのは、父島に到着した6月18日のこと。これが不思議なタイミングってやつで、父島の南国情緒を感じるや「ビールにはさすがに早いし、おいしいアイスコーヒーが飲みたいですな!」と本能の赴くまま、別名、勘を頼りにたどり着いたのが「USK Coffee」でした。

 じゃあ、なにが〝不思議なタイミング〟かというと、この日じゃなきゃ、宮川さんには会えていなかったのです。翌日から、北海道へ旅立つと。その理由がコーヒージャンキー(いい意味です!)の宮川さんならではだったのですが、なぜに北海道かといえば、幕末から明治の偉人・榎本武揚の子孫の方にコーヒーを煎れに行くと。実は、この榎本武揚こそ、小笠原諸島で我が国初のコーヒー豆作りを発案・指揮した人だったそうです。父島で宮川さんが育てたコーヒー豆を北海道で〝国産珈琲豆の父〟とも呼べる人の子孫の方がいただく。なんだか、すごい物語を聞かされた気がしました。

 そして「USK Coffee」では、スタッフの方にもお世話になりました。宮川さんが北海道に旅立った週末に開催していたマルシェでも、虜、別名=アイスコーヒーの「ボニンアイランド」をいただいたのでした。

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