03Comptoir Coin @蔵前

「Comptoir Coin」という店名はどんな意味があるんですか?

「そのまんまです。フランス語でComptoir (カウンターのお店)と、このお店の立地が角だったのでCoin(角)にしました。向かいがコインランドリーだからちょうどいいかなと思って」

そう答えてくれた店主の丸井裕介さん。とにかく意味などを考えるのが好きではないそうで、

「イタリアンをやっていた時の先輩のお店が2階にあったんですけど、ソプラ(上)って名前だったんですよ。すごくシンプルでいいなと思って。それで“角”でいいやと思ったんです。あ、そういえば、この前フランス人のお客さんから店名を褒められたんですよ。Coin(角)は“溜まる”って意味もあるから、お店にはとても向いてるって。それを聞いてから“溜まり場”って意味のお店ってことになりました(笑)」

とてもコンパクトな店内とキッチンに対して、お店の料理は実にたくさんある。

実に贅沢な「前菜の盛り合わせ」。特にこの日のキッシュは、ワインとの相性が抜群でした。

生地から作る「マルゲリータ」。店主は「どこにでもあるやつですよ」と謙遜していましたが、そんなことは当然なく、本格的なクセになる美味。

「沖縄今帰仁産アグーのロースト」は低温調理で60分かけて仕上げる逸品。これが、とんでもなく美味しい! ぜひ、味わっていただきたいです。

前菜やピザ、パスタやメインなど、メニューの合計は50種類以上。その豊富さに驚き、「メニューにコンセプトなどあるんですか?」とお聞きするも、

「ないですね。洋食全般というか。元はワインバーとしてスタートしたので、最初はメニュー数も5種類もありませんでした。それが、あれやって、これやって、と言われているうちに、こんな数になってしまいました」

まさか、そんなことありますか⁉︎ と思いつつも、丸井さん自身「やってみたい」気持ちもあるからこそ、オファーに応えてしまうようです。

丸井さんの転換期は2011年の東日本大震災がきっかけでした。その当時、丸井さんは土建屋の仕事についており、東北の方へ出張することになっていました。しかし、福島の風評被害の情報が耳によく入ってきていて、まったく食に興味がなかったにも関わらず、目に見えないものに怖さをはじめて感じました。それで土建屋を辞めることを決意し、当時の地元でアルバイトを探しました。

そのアルバイトというのが、とあるイタリアンでした。

表看板に「スタッフ募集」と書いてあり、これはわかりやすいと思って面接を受けました。店長に「センスって必要ですか?」と聞いたら、「センスは必要ない。努力すれば大丈夫」と言われ、なら大丈夫かと安易に働くことを決めましたが、わずか半年で「センスだらけの世界じゃないか。努力だけじゃ絶対に無理だ……」と幸か不幸か現実に気がついてしまいました。

それでも、その時に騙されていなければ、今料理の世界にはいなかったと苦笑いで振り返ります。

丸井さんはワインが飲めませんでした。好き嫌いではなく、大衆居酒屋の飲み放題で出てくるワインの影響で、身体が受け付けてくれなかった。しかし、ある日、ナチュラルワインを飲んだ時に、はじめてブドウの味を感じて、ワインを心の底からおいしいと思い、それからナチュラルワインの魅力に気づき始めました。ワインバーなどで働きながら知識と経験を積んでいたとき、ひょんなことで大通りから一本入った、いつもと違う道を通ります。

すると、当時の業界に足を踏み入れた時のような「テナント募集」の看板が目に止まりました。とりあえず後先考えず借りることにし、「Comptoir Coin」の思いがけないスタートを切ることになりました。丸井さんの人生を変えてくれたナチュラルワインと共に。

そんな店主が薦めてくれるワインなんて、信用度が桁違いです。

2015年に開業した後、2021年6月にはさらにナチュラルワイン専門酒販店「酒室-Centoux-」を開店、何千本ものワインを販売しながらも、その中からとっておきのものをComptoir Coinでお出ししています。

ぜひ、あなたもComptoir Coinで、ナチュラルワインの美味しさに目覚めてください。そして、おいしい料理とともに、最高の時間を過ごしていただけたらと思います。

そんなComptoir Coinの店主・丸井さんが「外ごはん本」のために「LOGOS メスキット」 「LOGOS カラーメスキット」を使用して作ってくれたレシピが書籍内に7レシピ掲載されています。

●鯵とトマトとほうれん草のオーブン焼き風
●燻製ベーコン
●チーズパスタ
●オニオングラタンスープ
●レバーリゾット
●ギア式ティラミス
●フレンチトースト

蔵前の小さなワインバーだからこその素敵な空間と美味しい料理。そして、欠かせないワイン。あなたにもぜひ味わっていただけたらと思います。

それでは、
Enjoy Comptoir Coin!
Enjoy 外ごはん本!

Comptoir Coin
所在地

東京都台東区蔵前4-8-9 島宅1階
(都営浅草線「蔵前駅」より2分)


TEL

なし(公式SNS、メール comptoir.coin@gmail.comで予約受付)

営業時間

19:00〜23:00(L.O.) 予約制


定休日

不定休


LOGOSアイテムを使ったアウトドアレシピ本『外ごはん本』発売中です!
広い意味でのアウトドアで楽しんでもらえる、読むだけでも楽しくなるレシピ本を目指した本書には、7人の料理人が43のアイテムで作った45のアウトドアレシピが掲載されています。また、レシピだけでなく、読み物ページ(コラム)やアイテムカタログも充実。「Enjoy Outing!」がつまった内容となっています。

現在、ロゴス公式オンライン店で販売中です。ぜひチェックしてください!


Index

01

マロロガバワン @新井薬師

東京・中野の奥の方にある「マロロガバワン」をご存知でしょうか?。入り口にはネオン管の「indo & more」という文字が光ります。カレー屋でも、インド料理屋にも収まらない、地元に愛され、地元を愛してやまない、スパイシーなお店のご紹介です。

02

焚き火イタリアン falò @代官山

「なんだか知らないけど美味しくなる」という焚き火料理の魅力にひかれて作り上げたfalòは、代官山という場所には若干結びつかない「大人のカジュアル」がキーワード。素材の味をいかした焚き火の達人がつくる料理たちは、すべて別格な味わいでした。

04

麦酒屋るぷりん & 炭火屋るぷりん @銀座

銀座のど真ん中にお酒と炭火焼きを堪能できるお店があります。人並外れたお酒への情熱。生産者さんとの丁寧なつながり。そして0からの炭火焼き⁉︎ 「ただいま」と言ってもらえるお店を目指して、オシャレでかわいい、アットホームなお店をご紹介します。

05

クーリ・ルージュ @宇都宮

都内から車で約90分。宇都宮ICを降りてすぐのところに、緑に囲まれたひときわ目立つ赤い屋根。そのお店こそが「クーリ・ルージュ」です。ゆったりとした時を過ごせる、なんだか物語の中に入り込んだような、田舎ならではの料理店のご紹介です。

06

Maruta @調布

調布の深大寺のそばに、スタイリッシュで高級感たっぷりの「Maruta」はあります。決して通いやすい立地ではないものの、独特な世界観が生み出す「憧れ」が、お客さんを虜に。店内には薪火台。「素材」の仕入れや考え方など、新しいカタチのお店です。

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