01 柴田社長 Special Interview!!
——まずは、今回の展示会の「PLAY LOGOS」というコンセプトから教えてください。
柴田社長:現在のアウトドア市場は調整の時期に入っていると感じています。コロナ禍のまっただなかの時期は、みなさんが密を避けてアウトドアを選んでくださった。そして、コロナ禍がようやく落ちついた昨年あたりからは、海外を含めた旅行に目が向くようになった。そのふたつの時期を経ての調整期だと感じたので「アウトドアって楽しいですよ。LOGOSといっしょに遊びませんか?」ともう一度、メッセージを送りたいと思ったんです。とくにエントリーユーザー、つまり、これからアウトドアを楽しもうとしている人たちにこそ、「PLAY LOGOS」という言葉を届けたかったんですよね。
——今回の展示会でもエントリーモデルの新製品が発表されていました。
柴田社長:テント3種と寝袋の新シリーズですね。たとえば、テントでは「プレミアムラインシリーズ」というLOGOSの最上位機種シリーズで展開した〝エーコン〟をエントリーモデルとしてリプロデュースしました。〝エーコン〟というのはドングリのことなんですけど、天井が高くて居住性にすぐれたものを目指して開発しています。エントリーモデルというからにはお求めやすい価格設定というのは当然考えたんですけど、ただリーズナブルなだけではLOGOSじゃない。だから、エントリーモデルの〝エーコン〟のテントでは、天空を感じてもらえるような、ほかにはないものを目指しました。
柴田社長:寝袋は環境に配慮した再生素材を使っています。「ROSY 丸洗いエコシュラ」という製品で、5℃帯、10℃帯、15℃帯3種のリリースを予定しているんですけど、こだわったのはロフト感でした。ふかふか感と訳していただいてよいと思うのですが、たとえば15℃帯のものですと、温度だけの対応としてなら中綿の量は少なくてもいいんです。でもそれだと、極端なことを言ってしまえば「タオルケット1枚でいいのでは?」となってしまう。エントリーユーザーにとって大切なのは〝寝心地〟だとLOGOSは考えています。だからロフト感にこだわりたかったし、目指したのは、自宅で使う布団に近づけた寝袋でした。はじめての家族キャンプで、お子さんが寝づらいことがないようにしたかったんです。エントリーモデルの開発でも、LOGOSがフォーカスするのはやっぱり〝家族〟でしたから。
——寝袋の素材には環境に配慮したものをとのことでしたが、そもそもLOGOSは、以前から環境への配慮を考えてきたブランドでした。氷点下パック®︎シリーズは植物性天然素材、エコココロゴスシリーズは、従来は捨てられていたヤシガラの有効活用でした。
柴田社長:そうなんです。氷点下パック®︎シリーズに関しては、開発当初から合成素材のものでも製品化は可能でした。でも、そこは折れずにいこうと。エコココロゴスシリーズもそうで、アウトドアで楽しんでもらおうとするブランドは、自然に対してやさしくあるべきだと当時から考えていたからです。その背景には、昭和30年代生まれの私が、もろにアメリカのアウトドア文化に憧れて影響を受けていていたということがあるのだと思います。
——柴田社長が、アメリカのアウトドア文化から受けた影響というのはどのようなものだったのでしょう?
柴田社長:ライフスタイルだと思います。アメリカにシエラクラブという自然保護団体があるのですが、当時の会長にお会いして、様々なお話をするなかで学びが多かったことをいまでも覚えています。たとえば、その会長が来日して驚いたのは、「なぜ、日本は川底の汚いビジュアルを見せておいて〝川をきれいにしましょう〟などとアピールするんだ?」と。アメリカは違うと。たとえば、カレンダーでも、山々の美しき自然をプロのカメラマンに撮影してもらって、それをカレンダーにして売って、売上金を環境保護活動費に充てたというんです。しかも、当時のアメリカでは、カレンダーといえばもらうものであり買うものじゃなかった時代だったというのに。私はアメリカそのものやアメリカのアウトドア文化に憧れのあった世代ですが、さらにライフスタイルにまで興味を抱けたのは、シエラクラブの影響が大きいですね。
——アメリカの影響もあった柴田社長が、「海辺5メートルから標高800メートルまで」と日本でのターゲットを絞ったことが興味深いです。
柴田社長: LOGOSブランドを立ち上げた1985年時点で既にエントリー層、とくに家族への思いが強かったからですね。振り返れば、ブランド立ち上げ後のはじめての展示会でのメインアイテムは、浜辺のパラソルや、浮き輪、ビニールボートなどのビーチ用品でした。「PLAY LOGOS」のコンセプトには、「LOGOSで遊ぶ、LOGOSと遊ぶ」というメッセージが込められているんですけど、ビーチ用品がメインの頃から、その思いは変わっていないのかもしれません。とにかく、アウトドアで楽しく遊んでほしい。そのために、2025年のLOGOSはモノづくりはもちろん、ロゴスランドやロゴスパークシーサイド高知須崎などの空間プロデュースでも、誠意を尽くしてお客様と向き合っていきたいと考えています。
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