今回の愛車はフォルクスワーゲン・タイプ2をレンタル。後部座席を倒すとフルフラットになるので車中泊にはぴったり。
京都から東京へ。高速を使えば約458kmの距離ですが、なにせ我らの愛車は約50歳。おっさんふたりで、のんびりと。
元祖バックパッカーを発見! 東海道といえば、このふたりです。「東海道中膝栗毛」の主人公・弥次さん&喜多さん。
ふたりの像があるのは、京都・三条大橋。約492kmの東海道を、江戸時代の人は、あの格好で歩いたのかぁ。すげぇっす。
弥次さん喜多さんほかに旅のお祈りをすませて、いざ行かん。出発は5月26日の木曜日、ゴールは3日後の日曜日(予定)。
が、いざ行かず。せっかくなので清水寺へ。編集部が一番楽しんじゃおうと思っていると、本誌プロデューサー・GPより突然の指令が。
某番組のように、うどんのスープが日本のどこで変わるか実験せよとのこと。楽勝っす。うどん大好きなんで。京都はザ・関西味!
弥次さん喜多さん像から3時間。東京・日本橋から数えて49番目の「土山宿」へ。町の人いわく「土山はよく雨が降るのよねぇ」。
土山宿の東海道伝馬館は一見の価値あり。写真の東海道五十三次の模型である「盆景」も風情あり。雨の日の道中に思いをはせる。
「道の駅あいの土山」(滋賀県)にて黒影米うどんを。まだまだ関西風。おこげが絶妙のアクセント。そばっぽいけどうどんです。
47番目の「関宿」近く。昔の家屋が数多く残っていて素敵な街なみ。強風すらもEnjoy Outing!する子供たちが頼もしい。
昔の人は川を渡らねば旅を続けられなかったんだなぁ……と感じた「七里の渡し」。42番目の「桑名宿」(三重県)にて。
名古屋着! スタートから117マイル(約187km)。そこそこ大きな交差点でエンストしたりもしたけど、ナイスワーゲン!
初日は愛知県の「岡崎宿」がプチゴール。38番目の宿までたどりついたけど、写真兼運転担当の旅の相方はすっかり無口に(お疲れ様)。
翌朝、36番目の「赤坂宿」(愛知県)へ。東海道で唯一、21世紀まで営業していた宿「大橋屋」は残念ながらご主人が引退を。
続いて35番目の「御油宿」へ。松並木で有名。弥次さん喜多さんは、ここでキツネに化かされたらしいっす。まだ愛知です。
松並木を眺めながらの朝食は「Pino Cafe」にて。2015年10月にオープンしたばかりの現代の旅籠的ナイスなカフェです。
朝食2は、愛知県豊川市のとある喫茶店にて。なぜ朝食を2回も、そしてなぜ愛知県に長居をしているかと言えば……。
本誌編集長の実家が愛知県豊川市にあるから! 恥ずかしがり屋の両親ですが、1枚だけ写真を撮らせてくれました。
恥ずかしいつながりがこちら。高校生の時に自分で書いた(らしい)目標。母さん、東海道車中泊って、大きなことですかね?
両親に別れを告げて、いざ行かん。もはや東海道は関係なくなりつつありますが、地元の「豊川稲荷」へ。
久しぶりに地元の言葉でレポートしてみます。「東海道車中泊って……どえらい!」。どえらい=超疲れる。
そして、「ど楽しい」。つまり、超楽しい。写真兼運転担当の旅の相方が提案してくれなかったら、両親にも会えなかったもんなぁ。
あ、豊川でもうどんを。スープの色が濃くなった! が、東京テイストではなく、しょうゆよりも出汁の味が。おあげさん、美味。
32番目の「白須賀宿」(静岡県)。あれ? スープが関西風に戻ってる!ところで、うどんで宿場を紹介するってどうなんでしょ?
偶然の出会いも旅の醍醐味? 29番目の「浜松宿」近くの「遠州灘海浜公園」では凧と青空を。凧揚げで有名な土地柄だとか。
25番目の「日坂宿」近くも静岡県。お茶どころです。スタートから、228マイル(約242km)。走ったなぁ~、Myワーゲン!
この夜は、車中泊専用のRVパークを利用することに。目的地を目指している途中、ペンギンを発見! ……と勘違いした1枚。
23番目の「島田宿」のTシャツを着た人とも、偶然出会えました。うなぎ屋のご主人・増田伸秋さん。なぜうなぎ屋さんかと言えば?
今宵の宿泊先が「島田宿」からクルマで30分ほどのところにあり、静岡と言えばうなぎでしょうと、ワーゲン会議が開かれたから。
増田さんのうなぎ屋さん「カネイチ」の絶品うな丼がこちら。ワクワクの車中泊の様子は、のちほど。
東海道車中泊3日目の朝、20番目の「丸子宿」へ。広重の絵を再現したかのような1枚を。しかし、名物のとろろ汁にはありつけず。
丸子宿のとろろ汁は、弥次さん喜多さんだけでなく、あの松尾芭蕉も愛した絶品。うどん以外の汁ものは食べられない=GPの呪い?
本日のプチゴールである「箱根宿」を目指して、いざ行かん。……でも、いざ行かず。世界遺産が見たくなって、三保の松原へ。
この時、朝10時半。GPの呪いのために朝食抜きで、おでんがありがたいことこの上なし。おなかがすくのも旅の醍醐味?
絶品の清水おでん。静岡おでんのようには黒味がかっておらず、甘味噌にていただきます。
そして、うどん! ついに、しょうゆのずっしり感が! それにしても、旅立ちから数えて4杯目だというのに完食する自分が怖いっす。
16番目の「由比宿」へ。静岡市東海道広重美術館前にて亀と遭遇。地元の方の話では”捨て亀”でいつの間にか増えたのだとか。
朝からどーんとした曇天でしたが、箱根スカイウエイでは突然のもやが!風情ありあり。スタートから340マイル(544km)。
ツーリング中だったバイカーの人たちもいったん愛車を停めるほど、濃いもやが立ちこめてきました。
この日はキャンプ場で車中泊することに。これがですね、天気はいまひとつながら、最高でした。詳しくはのちほど。
翌日は快晴。昨日はもやも風情あるなぁと思っていたのに、やっぱり旅は晴れてなきゃなどと感じる、人の心の移り気さよ。
快晴の箱根スカイウエイで、車中泊の達人の小林さんファミリーと出会えました。天井にはソーラーシステムも完備しているとか。
心、完全に移りました。青空と富士山、最高! ワーゲンバスも絶好調。ペースアップしてゴールを目指します。
と、思ったら気になるものを見つけてストップです。江戸時代の東海道と現在の国道1号線は、ほぼリンクしているのですが……。
幕府が旅人に木陰を与えようと道の両脇に杉を植林した「箱根旧街道杉並木」。滝廉太郎は「昼なお暗き杉の並木」と詠んでいます。
江戸時代にタイムスリップできたので、本格的にGO GOです。ついに。とうとう。無事に。関東に戻ってきました!
由比ヶ浜の近く(東京寄り)では、セイリングの大会が開催されていました。流行りのSUPを楽しむ人も。
さて、告白タイムの時間がやってまいりました。レンタカーの返却時間が迫っており、ハイウエイを安全運転でダッシュです!
多摩川を横切る東海道の要地のひとつ、六郷の渡し。神奈川県川崎市と東京都大田区東六郷の……って、東京目前です!
レンタカーの時間は迫っとりますが、うどんは欠かせない……のか? 川崎大師近くにて。うお、完全に関東味。ザ・しょうゆ!
いよいよです! 東海道五十三次1番目の「品川宿」。ちょっと感動。街並みに東海道を偲んでくれているのも達成感MAX!
うどん食べすぎでしょう率もMAX! でも、実験してわかったのは、川崎よりも、こちらのほうが麺のこし感も含めてザ・関東。
そして東京! ん? 大都会の品川で登山? 地元の人に聞いてみると、品川神社の富士塚とのこと。登りたい衝動を抑えてGOです。
と、と、と、東京タワーが、み、み、み、見えてきた~! 東京特有の道の混み具合すら気になりません。前代未聞の帰郷感!
GOOOOOOOAL! 東京・日本橋に到着です。京都から469マイル(約750km)、3泊4日の旅は、これにて終了!
ちなみに、行く先々で人気者だった我らが愛車。レンタカー屋さんいわく「過去最高マイル。いや、この先も破られない記録です!」。