中目黒駅から徒歩5分のところに「中目黒」のおしゃれなイメージとは真逆のような粋なお店があります。店内をのぞくと煙がもくもく。席はコの字型のカウンターのみ。いつもにぎわっているそのお店が「もつ焼き でん」です。
9月某日。19時にお店に入ると、カウンターには若い女性や、男前なお客さんの姿が。まずはビールを頼んで気持ちを整えます。
串は約20種類。どれを頼むか悩みます。人気の串は「れば」「かしら」「なんこつ」だそうですが、「おまかせ」にするのもあり。
焼けるまでの間のおすすめは「マカロニサラダ」。これ、ほんとに、3皿はいけるおいしさ。酒がススむススむ。やみつきです。
つぎはレモンサワー。コップのフチには塩。氷を使わず、シャリシャリに凍らせた焼酎をつかっていて、虜になります。
となりのお客さんは赤ワイン。まるで日本酒のようにこぼれる赤ワインを見たことがあるでしょうか。これで一杯、三八○円也。
お酒の紹介をもう一丁。「昔の女のハイボール」気になりますよね。こちらも梅酒を凍らせた氷がベースで、ほんのり甘いお酒です。
焼き手は5年前の中目黒店立ち上げから店長の柴朋宏さん。ちなみに「でん」は、
水道橋店、西小山店、蒲田店、戸越銀座店もあります。
ずっと気になっているこの「塗る」動作。タレではないのに一体なにを塗っているのか、なんとそれが後半明らかになります。
来た、来た、来た! 皿の角にのっている「赤いの」は企業秘密。これをちょこんとつけて頬張れば、言うことなしのうまさ。
閉店は23時30分なのですが、我々が出ようとした20時30分にはほとんどの串が売り切れに。ぜひ早めの入店をおすすめします。
1日約400本もの串がでるという抜群にうまい「もつ焼き でん」。そのおいしさの秘密について図々しくお聞きします。
場所は変わりまして、でんのレシピ担当である
andrecipeの山田英季さんです。モツは手に入らないので今回は鶏と豚で実践します。
まずは鶏。白いものよりはピンク色のものを選ぶのが吉。余分な太い筋は取り除き、幅は2.5cm、繊維に対して垂直に切っていきます。
ひとくち大に切ったあと、いい形と脂ののった「いい子」を選別し、串の上からいい子「1・3・4・2」の順で並べます。
串の打ち方ですが、最初のお肉は90度横から引っ掛けるように差し込んでいき、最後の一つは皮を引っ張って皮で抜き切る。
豚はぶつ切りにしたものと、小さめに切ってひらく2種類のやり方が。ひらくほうが柔らかく、早く焼くことができます。
豚も同じように串を打ちます。打つ時は肉の中心を。そうするために空中ではなくまな板の上に肉を置いたまま打つのがポイント。
お店で「?」だった塗っていたもの、それは「たま酒」というそうで、にんにくを1片すりおろし、日本酒を100㎖混ぜるだけ。
それをたっぷりと表面にハケで塗り、片面には親指と人差し指をズラすようにして塩をかけます。炭火が落ち着いたら網に油を塗ります。
炭の配置はこのように。このグリルを横に五等分したとき、端から火力が「中強弱強中」になるので、串の位置を変え、調整します。
できればもうすこし強火で早めに焼けると肉汁がより逃げないのでベスト。しかし少し弱火のほうが失敗しません。何事も無理はせず!
大事な「焼き上がりの目安」ですが、「親指と薬指をくっつけたときの、親指の付け根の弾力に似てきたら」です。
豚も同じように焼きます。小さめのほうは火力を強くしましょう。ジューっという音が鳴り続け、肉が汗をかくように焼いてください。
厚い肉は「だし醤油(=醤油100㎖、みりん50㎖、出汁パック1個を一晩、漬け込んだもの)」を片面にちょんちょんと塗って、弱火で。
もうひとつ、「焼きおにぎり」の作り方も教えてくれました! まず、おにぎりの面が平らになるように握って、冷めるまで待ちます。
おにぎりの表面に油を塗って焼きます。表面が乾いたら面を変え「だし醤油」を塗って焼きます。一度に塗りすぎず、塗り重ねます。
単純そうな焼きおにぎりですが、これらを守ると、崩れにくく、表面はカリッと、中はふわっとしたものができあがります!
山田英季さん、ありがとうございました! 山田さんが運営する
note「Reizoko ni ALMONDE -冷蔵庫にあるもんで-」は、火木土日の週4回、オリジナルのレシピが更新されます。ぜひ、こちらもご覧ください!